「いや平気。透も来れば? 部活じゃないし」

「まじで! 行く行くーっ」


奈々も帰っちゃったし、暇だったんだよね!


「じゃー先生、また何かあったら言ってね! 手伝うからっ」

「おー。ありがとな」


先生に手を振って、大聖に連れられ体育館に向かう。


蒸し暑い体育館には10人ほど集まっていて、休憩中らしく楽しそうに喋っていた。


「買ってきましたよー」


大聖の話し方から、先輩もいることが分かる。


「おー! さんきゅーっ」


輪を作って話していた人たちが振り向き、あたしの存在に気付いた。


「あ、こいつ透です! 暇らしーんで連れて来ました」


「バスケ上手いんすよー」と言いながら輪に近づく大聖の後ろを歩き、座っている人たちに目を配らせる。


あ、委員長もいる――……ん?



「「ああっ!!」」


重なる声に、お互いを指差すあたしたち。


「え? 何?」


大聖が不思議そうに右に左に目を動かしたけれど、あたしの視線は泳ぎまくり。



へにょっと曲げた指の先にはイケメン集団のひとり、金髪男がいた。



やっべー……気まずー……。