プラチナ王子




「あー、暑いっ」


一通りバスケを楽しんだあたしと男子3人は、ずっと奈々がいた校庭の日陰に座り込む。


「いやー、スポーツはいいね!」


両手を挙げて言うと、大聖を含む男子が笑った。


「透いると違うよなー!」

「男といるみたいじゃね?」

「てか、もはや男だろ」

「それ失礼だよね!? こんなんでも、あたしは女ですが!」

「いやぁ~、どうかな~」と、口をそろえて言う男子にバスケットボールを投げつける。

「っにすんだよ、バカ透!」

「まぁまぁ、いいじゃん」


男子とにらみ合えば大聖が止めに入ってくるけど、何が“いいじゃん”なのか。


そりゃ、奈々みたいに美人ではないけど! 男友達のほうが多いし、見た目とか中身とか女っぽくないってよく言われてきたけど!


生まれてこのかた一度も伸ばしたことがないショートカットの髪は、ただ単に楽だからで。


ピアスは開いてるけど、化粧っけがないのはめんどくさいだけでメイクに興味がないわけじゃ……興味持ったこともないけど。



「男に生まれときゃそこそこモテただろうにな」


そう言った男子の足を蹴飛ばすと、隣にいた奈々がクスクスと笑う。