「こんな男に嫉妬するわけなくね~?」
「そうそう。こんな外人」
……は?
2人の男が言うと、更に金髪男が両腕を組んで嘲笑う。
「ハーフだか知らねーけど、その髪とか目とか。ナヨナヨしやがって、日本語下手だし気持ちワリーだけだっつーの」
ギャハハ!とバカにした笑い声に、不快さが胸いっぱいに拡がった。
「なんやとお前ら!」
翔太先輩が怒っても、金髪男の両隣りにいる男ふたりは口を動かすのをやめない。
「アメリカ帰れば~?」
「いいね! それ採用~っ」
あたしは昴先輩を見上げて、悲しそうな顔を見た瞬間プツンと何かが切れた。
「……翔太先輩、今はやめた方がいいわよ」
「なんでやね……」
──ドッ!!という鈍い音と共に、金髪男が声にならない悲鳴を上げて床にしゃがみ込む。
「失せろ」
周りが呆然とする中言い放つと、男ふたりがハッとして慌てて金髪男に駆け寄った。



