「じゃあ、お前がメアド教えてくれてもいーよ?」
「はい?」
「結構、可愛いし」
ゾワッと鳥肌が立って。
「キモイ!」
思ったことが口に出てしまった。
「……キモイ?」
金髪男が呟くと、ギャハハハッと他の2人が笑い出す。
「つか、俺らのこと知らないとかあり得んの?」
「照れてるだけだろ?」
キモイ、キモイキモイ! 何だこのナルシスト集団は!
「とにかく無理なんでっ! じゃっ」
立ち去ろうと前に踏み出すと、金髪男があたしの肩を掴んで笑みを含んだ顔を近づけてきた。
「メアドは?」
「はははっ」
乾いた笑いを返すだけにして、肩を掴む手を振り払い奈々を連れて歩きだす。
もう無視だ、無視っ!
「ちょっと待ってよ~」
「ねぇ奈々ちゃ~ん。メアドくらい教えてよ~」
ひとりの男が、奈々の手を掴んだ。
だからっ!
「奈々に触んなっ!!」



