「俺たち今、奈々ちゃんと話してんだけど」
あたしの後ろに隠れた奈々の、背中を掴む手が痛い。
そばにいなかったから何を話していたのかは分からないけど、様子を見る限りだいぶ不快なことを言われたんだろうなぁ……。
小さくため息をついて、目の前に立つ金髪男を見上げた。
「奈々に、何か用ですか?」
「メアド聞いてただけじゃん」
「あー……奈々は、よく知らない人には教えないんで」
「はぁ? 知ってるだろ、俺らのことくらい」
「なぁ?」と金髪男が言うと、他の2人もニヤニヤ笑っている。
知らねーよ!って突っ込みたいんですが、突っ込んでいいんだろうか……。
「ねー、奈々ちゃん? 教えてよ~」
他の2人が奈々の顔を覗いて、肩を掴もうとする。
「ちょっと! やめて下さいっ」
2人の前に立ちはだかり、片手を伸ばして後ろに隠れる奈々を守る。
顔を見合わせる2人の男の代わりに、金髪男が口を開いた。