「そう。どうだったの?」
「番犬になった!」
「は?」
「え?」
自分でも分かるほど、今のあたしはキランと輝いていたなと感じていると、奈々が眉を寄せた。
「なぁに? 番犬って」
「奈々と同じように、昴先輩も守ってあげんだっ」
教室に向かいながら、奈々とあたしは並んで歩く。
「男の昴先輩に? 必要ないじゃない」
「んー、まぁそうなんだけど。番犬透と、透。2役?しよーかなって」
すれ違う男子生徒が奈々を見てるなぁと思いながら歩くのは、昔からのこと。
「だいたい、何で番犬なのよ」
「そっれが聞いてよ! 前、奈々が言ってたイケメン集団!? いるじゃん!」
「ああ、3年生の」
「そいつらが、昴先輩をいじめてんだよっ」
「嫌がらせでしょう?」
「同じだよ!」
嫌がらせがもうイジメじゃん!
「あたしが昴先輩と体育倉庫で会ったのも、閉じ込められてたからなんだって」
ほんと、信じらんない。



