プラチナ王子




閉じた携帯をぎゅっと握り締めると、気が抜けたようにフラ~ッとベッドに倒れ込んだ。


「………」


昴先輩の、平仮名ばかりのメール。片言な日本語。間延びする、柔らかい声。笑うと少し、高くなる。


「……ふふっ」


上がったと思ったらへこんで下がって、また上がって。忙しいな、あたしは……。


昴先輩のことで一喜一憂してしまう。


好き……って、大変なんだなぁ。


もぞもぞと布団に顔を押し付けていると、ブーッ!と携帯がまた震え出す。


奈々かな。

メールしたんでしょうね?という催促かもと思いながら携帯を開くと、メールが届いていた。


――昴先輩!


『しんぱいしてくれてありがとう、トール。またあした。』


「……」


ほら、また。


昴先輩は、幸せを運んでくる。胸がきゅーんて締め付けられて、熱くなる。


こんなに好きでいいのかな。


昨日より一昨日より、もっともっと、好きになる。毎日、毎日、好きが濃く塗り替えられてく。


何度も、何度も。好きです、って思ってる。



好きすぎて、溺れてしまいそう。