プラチナ王子



なっ! 何で電話!? えっ、嘘でしょ……ちょ、えぇ!?


ドッ、ドッ、と、自分の鼓動が速く大きく鳴ってるのが分かる。


短く深呼吸をしてから、意を決して震える親指を受話ボタンに乗せた。


「もっ、もしゅもひ!」


声裏返ってるよあたしぃー!!


『モシモシー』


ヒィッ! まじだっ、昴先輩だ!

近い! 声が、ものすごく近いっ! てかあたし、昴先輩と電話しちゃってるよ!!


真っ赤になる顔を片手で押さえると、昴先輩の間延びした声。


『トール?』

「は、はい!」


思わずベッドの上で正座してしまう。


『マモル、て、なに?』


……え?

あ……あたしウザかった!?


ていうか今更だけど、男の昴先輩に女のあたしが守るだなんて、失礼極まりないんじゃない!?


「あ、えと……その……」


どうしよう!と、ない頭を振り絞ってみるけど、やっぱりあたしの脳みそはツルッツル。


『マモルて、どんなイミ?』

「はひ?」


え、意味!? 意味が分かんなかったのか!


えっ、どうしよ……えーっと、えーっと。