『だれが昴先輩をとじこめたんですか?』
『3ねんせーのひとたち』
あ……。
きっと、男だ。3年生のイケメン集団。
あまりにも興味がなかったから忘れてたけど、昴先輩が転校してくるまでは学校一モテてた人たちがいるって、奈々が言ってた気がする。
「逆恨みかよ」
かっこ悪い。
どうせ、自分たちがモテなくなったのを昴先輩のせいにしてるんだ。
閉じ込められる以外にも、色々されてきたのかな……。
聞くべきか聞かないほうがいいのか、うーんと悩みながら返信ボタンを押した。
『あたしが昴先輩を守ります!』
送信ボタンを押して、携帯を閉じる。
……昴先輩を傷付けるなんて絶対許せないけど、過ぎたことはどうしようもないから、これから先が大事だよね。
もし昴先輩が今までされてきたことを話してくれたら、聞くけど。
もし昴先輩がまた何かされる可能性があるなら、大丈夫ですよって言える距離にいたい。
なんといってもあたし、奈々の番犬だしね!
今まで何度奈々を付け狙う怪しい人を撃退したことか。
フッ……と黒い歴史を思い出して鼻で笑っていると、携帯を持つ手が震えた。
「……はひ?」
背面ディスプレイに表示されたのは着信を知らせるもの。
着信相手は信じられないことに、昴先輩だった。



