「……何送ってんだあたし」
もっとこう、何かあったじゃん!
今日のお昼楽しかったですとか! また一緒に食べましょうねとか! 誘うのはまだちょっと無理だけど!
コーラ片手にがっくりとうなだれるも、時すでに遅し。
バカ、アホ、あたしのバカ!
送信してから、こんなに後悔することってあるんだな……。
あぁ……ダメだ。へこむ。この世の終わり……。
不思議そうにしてるお母さんの視線を感じながらリビングを出て、背を丸めながらとぼとぼ階段を登る。
ていうか、返ってくるの? え。返ってこなかったら、どーすんの?
何それ怖い! 無理。死ぬ、絶対ショック死する。
……送らなきゃ良かったかも。
さっきまで幸せだったのに、何だこの気分。
亀の如く階段を登り部屋のドアを開けた途端、ブ────ッ!!と突然響いた大きな音に体が跳ねる。
「なっなな! な、に……」
視線の先には、テーブルの上で震える携帯。チカチカと設定したばかりのピンク色に光る受信ランプ。
さっきまでの動きは何処へやら。チーターの如く携帯を取ってベッドにダイブ。
両手に包まれた携帯をこっそり見ると、背面ディスプレイに表示された名前は“昴先輩”。



