プラチナ王子



打っては消して、悩んでは消す。


「ああっ、もうっ!」


同じことを繰り返す自分にイライラしてきて、思いつくままメールを打った。


『昴先輩、この前体育倉庫で何してたんですか?』


なんだこりゃ。確かにそう思ってたけど、初っぱなのメールがこれ? これでいいのか?


「……まぁいっか」


考えすぎて疲れた脳はあっさりと承諾する。


そうしーんっ! ラブ!!


要らない愛と共に、ぴっと送信ボタンを押して携帯を閉じる。


「疲れたな……」


まさかメール送るだけで、こんなに体力と気力を使うだなんて……。初めて知りました。


携帯をテーブルに置いてリビングに飲み物を取りに行く。


リビングに入るとテレビを見ていたお母さんがあたしに気付いて、時計を指差した。


「もう少ししたら、ご飯にするわねっ」


「うん」と返事をしながら冷蔵庫を開けてコーラを取り出し、それをグラスに注いで、ごくごくと喉を鳴らしながら飲んだ。


喉がしびれて、おいしい。


「ふぅ」


お母さんが見てるテレビ画面を何気なく見ながら、すっきりした頭でふと考える。