「うん、可愛いね」
キョウ先輩まで……! 社交辞令バンザイ!!
「こちらは、トールのトモダチ?」
心の中で万歳していると、昴先輩は首を傾げながら奈々とあたしを交互に見てきた。
「あ、奈々です! 中学の時から同じクラスで、あたしの親友です!」
「……初めまして。三神 奈々です」
「んん! ナナ? 昨日もトールといた子」
昴先輩は覚えたと言うように、笑顔を浮かべる。真横で見た昴先輩の笑顔に、鼻血寸前。
「――翔太。自己紹介しないと」
「は!? あ、ああ、せやな」
キョウ先輩の声に視線を移すと、奈々の隣に座ったお友達がぽりぽりと首筋をかいていた。
「何や気恥しいな。えーっと……俺、翔太。三船 翔太(みふね しょうた)な! よろしゅう、奈々ちゃん」
「こちらこそ。翔太先輩」
「透も。仲良くしたってな!」
「どーもです!」
気が合いそうだなと思いながら、翔太先輩はどうやら奈々に対しては少し緊張するみたい。
うんうん、分かる。大抵の男子は奈々の前じゃ氷みたいにカッチカチに固まるもんね。



