「トナリ、へーき?」
昴先輩は焼き肉定食をあたしのハンバーグ定食の横に置いた。
ぎょえー!!と叫びたいのを我慢して、必死に頷く。
「もちっ、もちろんですっ」
噛んでんなよあたしぃいい!
「ココあいてる~」
昴先輩は多分友達2人に声を掛けて、あたしの左隣に座った。
は……はひ……近っ、近いっ! どうしよう何この急展開!
「ちょお急に何やねん昴。俺ら初対面なんやから、紹介しぃや」
昴先輩を追いかけてきたお友達のひとりが奈々の隣に座って、もうひとりのお友達はなぜか笑いながら昴先輩の隣に座った。
「トモダチになた、トール!」
「あ、わ、は、初めましてっ!」
名前を呼ばれただけでニヤける顔を慌てて引き締めて、頭を下げる。
すると、昴先輩の隣に座ったお友達が首を伸ばして「1年生だよね?」と聞いてきた。
「はい、そうです! 1年ですっ」
「初めまして。昴と同じクラスの王良 恭(おうら きょう)。キョウでいいよ」
「キョウ先輩っ! えっと、向井透ですっ」
「トール、カワイーでしょー」
「……はひ?」
カッ、カワイー!? 今、昴先輩、可愛いって言った!?



