プラチナ王子



「透」

「ふん?」


学食のハンバーグめっちゃうまい!とか思ってたら、奈々に呼ばれて顔を上げる。


「何でもないわ」


頬いっぱいに食べるあたしを見て笑う奈々に、湧き上がる疑問と恐怖。


「奈々……何考えてるの?」


恐る恐る聞くけど、奈々は答えずに頬杖をついて微笑んでるだけ。


……怖いんだけど。


チラチラと奈々を盗み見ながら苺オレを口に含んだ時だった。


「トールッ!?」

「――ごふっ!」


口を押さえて危うく噴射しそうになった苺オレを飲み込み、振り向けばくらりと目眩が襲う。


大好きな昴先輩が、学食の受け取り口に立っていた。


「ココでトール見るの、はじめて~」


ニコニコと笑いながらあたしに歩み寄ってくる昴先輩の美しさと言ったらもう……。


今日も一段と輝いてますね! 眩しいです素敵です。まさにおとぎ話から飛び出してきた王子様そのものです!


……じゃなくて!


慌てて奈々を見ると、微笑まれた。


「昴先輩、少し前から毎日学食利用するようになったんですって」


奈々……。好きっ!!