チビのあたしは昴の両腕にすっぽり包まれてちゃって、じっとしている以外どうすればいいのか分からない。
甘えられてる気分で動かずにいたけど、やっぱりこれは、照れるな……。
「あの……昴……は、恥ずかしい…」
「ダメ」
ダメ!?
「テレてるトール、スキ」
ひぃぃぃい!!
後ろからじゃ見えないだろうけど、赤くなった顔を隠すように俯く。
何でそんな恥ずかしいことをサラッと言うかな! 王子だから!? 王子だから何でも許されると思ってる!?
いやあたしは許すけど……。
「ひゃあ!」
突然耳に息が吹きかけられて、素っ頓狂な声を出すと昴の笑い声が聞こえた。
「ミミまで、まっか」
慌てて耳を塞いでも、クスクス笑う昴に悔しさと愛しさが同時に込み上げる。
「バカにしてるでしょっ!」
「カワイー」
「聞いてた!?」
「だって、ホントにカワイー」
「~~っ」
甘い。昴の言葉は糖度が高すぎて、体中に血が巡って、熱まで上がって、頭がくらくらとしてしまう。
「昴、甘えん坊すぎるよ……」
「ダメ?」
「心臓が持たない…」
いつもいつも、ドキドキさせられっぱなしなんだから。
「しんじゃヤダ」
「……昴を置いて死ねません」
「あははっ!」
笑うとこ!?
「トールにあえて、ウレシー」
昴はあたしの首もとに顔を埋める。サラリと掛かるプラチナの髪がくすぐったい。
……あたしだって嬉しい。
昴に出逢わせてくれた神様に、何度お礼を言ったことか。



