プラチナ王子



緊張して喉が乾く。言わなきゃ、話し掛けなきゃ。そう思うたび、ドコドコと太鼓みたいに脈打つ体。


ああもう、どうしよう。早く言わなきゃ、帰っちゃう。


緊張で震える体をおさえるようにぎゅっと目を瞑って、大きく息を吸った。


「す……っ」

「トールッ!」


……はひ?


目を開けると昴先輩があたしの方を向いて手を振っていたけれど、キョロキョロ周りを見てしまう。


あたし? 今、あたしが呼ばれた?


「トールー!」


再び名前が呼ばれ、あたしのことだと確信。嬉しすぎて声が出ないけど、この嬉しさを伝えたくて隣の奈々に目で訴えた。


昴先輩から声かけられるなんて! あたし世界一幸せ!!



「トールッ」

「ぎょえ!!」


気付けば、昴先輩が目の前にしゃがみ込んでいた。


い、いつの間に! また変な奇声あげちゃったよ……。


「ナニしてるの?」


プラチナの髪が、太陽の光りで輝く昴先輩。


校内でも眩しかったけど、外だと10割増しくらい眩しいです!