「ウン、それで?」
昴はニコニコと笑っていて、あたしはこの笑顔にめっぽう弱いなぁ……なんて思う。
「……優しくて、無邪気?で、笑顔が……か、可愛いあたしが、好き。で……ずっと一緒にいたい……」
限界を感じて昴に目で訴えると、それで?って顔で微笑みを返されるだけ。
くそぅ!
「~~っ俺は君の全てになりたい大好きだよ彼女になってくださいっ!」
勢いに任せて最後まで言うと、昴が頭を撫でてくれた。
「that's right」
「ふんっ!」
恥ずかしさで素直になれずそっぽを向くと、「トール」と呼ばれる。
「何さ、……っ」
立ち止まった昴を見上げると、ちゅっと軽くおでこにキスをされた。
一瞬で顔が赤くなったあたしを見て、昴はクスクス笑いながら先に歩き出す。
「カワイー、トール」
ご機嫌な昴の背中を見ながら、あたしは熱を帯びたおでこを抑える。
昴さん……こんな道のド真ん中で、何をなさるんですか。
おちょくってます? 実はちょっと俺様? S?
でもやっぱり王子は、何しても許されると思います! きゅんっ!



