プラチナ王子




「トールのたべたい」

「ん? いいよー!」


帰り道、駅ビルの周りをうろつくあたしと昴は、人気アイス店のジェラードを買って、食べ歩きをしていた。


「オイシー」

「昴って甘党だよね。甘いもの好きなの?」

「スキ」

「………」


いやあたしじゃないって!
甘いものが好きって言ったんだって!


「トールもスキ」

「はひ……っ」


昴さん、不意打ちはやめて下さい……。


熱くなった胸を冷ますように、冷たいジェラードを口に運ぶ。ぼんやりと、あることを考えながら。


「……昴って、さぁ……」

「ウン」

「あたしのどこが好きなの?」


うっ……! やっぱこの質問はウザイかも!


「何でもない! 今のなしっ!」

「……コクハクしたとき、わからなかった?」

「へ!? いや分かったよ! ゆっくり言ってくれたし、でもちゃんと訳せてたかなって……」

「なんてやくしたの?」

「えっとね……」


ゆっくり歩きながら、あたしはひとつずつ思い出すように口を開く。


「……出逢うことができて、幸せです。出逢えてから……毎日本当に楽しかった。朝起きると……えと、逢いたいっていつも思ってた……」


ちょ、これ……何気に恥ずかしい!


あたしが告白してるみたいじゃん!