「なぁ透。今度みんなでさ、どっか遊び行かない?」
「行きたいけど、どこに?」
「んー。奈々さんは? どっか行きたいところない?」
「暑苦しくないなら、どこでも」
にっこり笑う奈々だけど、それ、大聖を拒否してるね?
奈々の男嫌いはいつ治るのかなぁ……。
「あ、海! 海行きたくね?」
うーんと悩んでいた大聖がパッと顔を明るくさせる。
「まだ早いって」
「じゃあ透も何か案出せよー」
「案~? えー……あっ!」
「思いついた?」
違う。昴先輩……。
昴先輩が、下駄箱で立ち話をしていた。
「おい透ー?」
大聖に呼ばれても、友達ふたりと昇降口から出てきた昴先輩から目が離せない。
どうしよう。今更だけど、結構距離が……!
「ちょっと透。出てきたわよ?」
奈々も気付いたのか、座ってるあたしの腰を叩いた。
分かってるよ! でも、でもっ……!



