「まぁ、とにかく付き合えて良かったね。透ってば、毎日昴昴言ってたもんねぇ」
「ぎゃー! のん! バカ!」
昴の前で何てことを!
顔を赤くすると、便乗するように奈々があたしの顔を覗いてきた。
「一目惚れだものねぇ?」
「奈々ぁぁぁあ! やめて! お願いだから!」
恥ずかしくて死ぬ! そんな死亡フラグ立つの嫌!
「トール」
「はひ…」
「ホント?」
ジッとあたしを見つめてくる昴に顔を火照らす。
一目惚れは本当だけど、まさか本人に恋に落ちた理由を知られるなんて思わなかった。
違うって否定することは出来るのに、嘘だなんて言えない。言いたくもない。
「ほんとです……」
「へへっ」
へへって!
可愛いすぎる! キュン死にさせる気か!
ドッ、ドッ、と鳴る心臓を制服の上から抑えていると、頬を染め続けるあたしに翔太とキョウが視線を注ぐ。
「なんや、ホンマに付きおうたんやなぁ……正直、今と変わらへんと思うけどな」
「ぶふっ! それは……くくっ……分かるなー。俺らの中で、透と昴ってもう付き合ってるようなもんだったもんね」
バカにされているようで、だけどどこかむずがゆい言葉にどういう反応をすればいいか分からない。
奈々があたしに色々してくれてたように、翔太も昴の背中を押したり、キョウも話を聞いてあげたりしてたのかな……。
そう思うとやっぱり照れ臭くて、小さい体を更に縮み込ませた。



