「ほんまに透の弟なん!?」
「もちろん。正真正銘、弟ですよー」
「にてない……」
「中3に見えないよね」
あたしと奈々に挟まれたのんは笑顔を浮かべ、向かい側に座る翔太も昴もキョウも未だに驚きの表情を隠せずにいた。
そりゃそうだ。中3にして175センチもあるし、顔も整ってるオシャレさんなあたしの弟は、チビで童顔な姉とは正反対。
「俺は父親似で、透は母親似なんだよねー?」
「顔はね……」
お母さんもお父さんも背が高いのに、のんだけにょきにょき伸びて、ずるい!
「いや~……びっくりやわぁ。全然似てへんから、強敵出てきたんちゃう!?とか、ホンマ焦ったんやで」
「うん。まさか弟だとは思わなかったよね」
「ナナにだまされた……」
「なぁに? 私悪いことしてないわよ。ねぇのん?」
「そうだよ透。奈々に感謝しないとダメだよー」
そんなぷりぷりの笑顔で言われても……。
可愛い! 許しちゃう! きゅん!
「透はのんに甘いのよ」
くすっと笑う奈々に、楽しげに身を乗り出すのん。
「昴さっ、俺にヤキモチやいてたよね?」
えっ……!
「だからあんなに透に冷たくしてたのよねぇ?」
「やんなー」
「あからさまだったよね」
ニヤニヤするみんなを見て、昴は悔しそうに眉を寄せた。
「だったら、ナニ……」
きゅうぅぅぅんと、昴の表情に胸が高鳴ってしょうがない。
昴、好き! ヤキモチだったんだね! あたし今幸せすぎて、ケーキ100個は食べれるっ!
普通に無理だけどね!
例えばの話しだけどね!



