プラチナ王子



「何から何まで全て奈々さんの陰謀ですか…?」


ガタガタ震えるあたしを見て、奈々は妖艶な微笑みを見せた。


「失礼ね。協力よ? 協、力」


楽しかったわぁ……と、奈々の周りの空気が言ってる! そんな空気が漂ってる! 怖い! 魔王!


「数え切れないほど協力したんだから、感謝してくれるわよね?」


あの……奈々……協力っていうか、完全に楽しんでたよね?


あたしも昴も勘違いしまくってて、すごいめんどくさいことになったんじゃないかな?


「普通に告白して普通に付き合うなんてつまらないじゃない」


あたしが考えてることが分かったかのように付け足す奈々。


「そんなの奈々だけでしょぉ!?」

「付き合えたんだから結果オーライじゃないの」

「奈々まじサイコー!」


爆笑する隼人に、唖然とする昴。


ニコニコ笑う奈々を見上げながら、あたしはがっくりと肩を落とした。


もう何も言いません……。



そのあと隼人と別れ、翔太とキョウと合流したんだけど、ふたりものんがあたしの弟だと知らなかったらしい。


「弟!? 嘘やん! 全っ然似てへんやん!」

「……前、弟迎えに行くって月島先生に嘘ついてたよね? てっきりもっと幼いのかと……」


そんな言葉に一応ちゃんと紹介したほうがいいかと、駅ビルをブラブラしていたのんを呼び出して、5人でカフェという状況に至る。


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