プラチナ王子



「……あたしの、弟」

「brother!?」

「家族は、大切な人でしょう?」


昴は目を見開いてから微笑んだ奈々を見て、やられた……って顔でガックリとうなだれた。


「す……昴」

「ナニもいわないで……」


顔を真っ赤にして右手で口を押さえてる昴に、口を閉じた。


だけどずぐに深呼吸して、逸らされたブルーの瞳を見つめる。


「I love more than anyone else that anything you.」


あたしは、何よりも誰よりも、あなたのことが大好きです。


昴と目があって、告白してるのになぜか涙が込み上げる。


「あ、I really think so ……heartily」


本当に、心から、そう思ってるんだよ。


「……ずっと、一緒にいてください……っ」


一筋の涙が頬を伝うと、目を丸くしていた昴は顔を真っ赤に染め上げる。


止まらない涙のせいで瞼が熱くてしょうがないけど、昴から目を離すことだけは絶対にしなかった。



「あたし、昴が好きだよ……。ずっと前から、ずっと、大好きだったんだよ……っ」


ぐすっ…と鼻をすすると、ふいに昴が両手を広げる。


「……hug」


恥ずかしそうにそう言った昴を、めちゃくちゃ愛しいと思った。


あたしは導かれるように、昴の腕の中に辿り着く。



「――ダイスキ。トール」


あたしも、大好きだよ。



大好きな人に、大好きだと言われる。

こんな幸せなことってない。



この一瞬を、いつまでも胸に焼き付けておこう。



大好きな昴に、抱きしめられている間に。