プラチナ王子



「まぁ元気出せよ!」

「そうよ透。元気出しなさいよ」


ふたりとも他人事だと思って……。



『それでは告白したい生徒はあちらから袖裏に入って下さい。スタッフが待ってるので、誰に告白したいか伝えてね~!』


司会の言葉通り、何人かがステージに繋がる部屋に入っていった。


こんな人前で告白するなんて、勇気のある人たちだなぁ……。



告白タイムは計9人のプリンス、プリンセスに大体2~3人ずつ告白する生徒が現れた。


3年のプリンセス2人に告白した男子2人は、見事付き合いカップル2組成立。


隼人が言うには「あいつらはもう付き合ってるようなもんで、この日の為に告ってなかった」らしい。



2年のプリンセス2人には、それぞれ1人が告白。片方はフラれてしまって、もう1人はお友達からという結果だった。


奈々には先輩5人も告白しに来たけど、全員容赦なく綺麗な微笑みでフラれてしまう。


あたしは話したことがある2年生1人、3年生1人に告白されたけど、お礼を言ってから全員断って、友達ならってことで終わった。


嬉しかったけど、どこか心苦しくて。あたしは何度、深呼吸したか分からない。



隼人には2人の1年生が告白していた。気持ちだけ伝えたかったと言って涙を流す彼女たちに、隼人はありがとうと頭を撫でていた。


昴にはゆっこ先輩を含む7人が告白してきて、「彼氏いる子よりあたしと付き合って!」なんて言っていたけど、昴は申し訳なさそうに「ゴメンね、ありがと」と言って全員断っていた。



……昴に好かれた女の子が心底羨ましい。


断る昴はツラいはずなのに、その心のそばにいる昴の好きな女の子に、あたしはヤキモチを妬いていた。



大聖には3人の先輩が告白。優しく断る大聖に、ひとりの3年生が顔を真っ赤にして、「せめて友達になりたいんです!」と言ってる姿が可愛いくて、一生懸命自分を奮い立たせてるんだろうな、と感じた。


大聖にもそれは伝わったのか、その3年生にだけメアドを教えていたみたい。




それぞれの告白タイムが終わり、始まった恋もあれば、終わった恋もあった。



……やっぱり恋って、幸せなだけじゃないんだ。


あたしはスポットライトの熱さにクラクラしながら、痛感していた。