「透のことよねぇ?」
「そ……そうなのかな」
いや、そうか。あたし、さっき告られたんだもん……。
『どんな子ですか!?』
「バスケ上手くて、男っぽいけど、明るくて可愛いっすね」
顔が赤くなるのが分かる。
そんな風に思ってくれてたのか……。
『ほー。告白は? しますか?』
司会者の質問に、ギクッと体が跳ねた。
「もうしましたよー。さっき」
『えぇっ!? 何でするんだよー! ここでしよーよ!』
「こういうベントだなんて、知らなかったんで。すんません」
『1年には絶対極秘!が、仇になりましたね~……。結果は? 聞いてもいいですか?』
「あ、フラれました」
「――嘘でしょぉおお!?」
「もったいなーい!」
『もったいないって何だよ! フラれた理由とか、聞いちゃっていいですか?』
き……気まずい。
大聖の返答に耳を傾けるものの、あたしの視線はあちこちに泳ぐ。
「好きな人がいたんで。知ってたんすけど、気持ちだけ言いたかったんで。後悔はしてないっす」
『お前……超男前じゃん……! そこでぜひ聞きたい! 新しい恋はしたいかなっ?』
「ははっ、したいっすね!」
「あたしとして~!」
「いやあたしと!」
『がっつくのは告白タイムにして下さ~い! 大聖くん、誰に告白したのか聞いてもいいですか!?』
――は!?
驚いて、司会の背中を見る。
何言っちゃってんの!? 何言ってんのあんた!!
「あ~……まぁ、その内バレますよね」
『うんうん、人の噂って早いからな! 誰ですか!? 知りたい知りた~いっ!』
ちょっ、何、自分の欲に負けてるのあなた! 純粋な大聖を丸めこめようとしたって、そうはいかな……。
「同じクラスの向井 透っす」
大聖ぇぇぇえ!?



