プラチナ王子



『続いて、2年プリンスの登場!』

「「きゃあぁぁぁぁあーー!!」」


うるさっ……! す、すごいなぁ……。


あたしは耳を片手で塞ぎながら、ステージ袖から出てきた2年プリンスを見る。


「………っ」

「「王子ぃー!!」」
「「かっこいぃー!」」

『すごい歓声です! さすが我が校のプリンス!』


何であたし驚いたんだろ……。考えなくたって、2年生のプリンスなんて昴しか有り得ないよね……。


隼人の隣に並んだ昴の髪はスポットライトの光でより一層輝いて、目を奪われない方がおかしい。


正直、逆光で後ろ姿はほぼ真っ黒だけど……。


目の前にいるのは、昴なんだよね……。



『さぁ、まずは3年生の隼人からいきましょうかね!』


司会の声にハッとして、隼人と司会の背中を見つめた。


『まぁ、隼人はねー……聞いても無駄っつーか、いちおう聞いときますか?』

「はぁ!? 聞けよ!」


司会の人、隼人の友達なのかな。


体育館いっぱいに笑いが響く中、司会者は隼人にマイクを向けた。


『最近、彼女とはどうなの?』

「「えぇ!? いるの!?」」
「「嘘でしょーっ!?」

「ラブラブでーす」


ショックを受ける女子たち、隼人は意気揚々と答えてる。


『はい、というわけでありがとうございました~』

「もっと聞けっつーの! 3年連続だぞ! 快挙だぞ!」

『彼女いるやつの話聞いて何が楽しいんだよ! つぅか隼人のラブ話なんて俺聞きたくねーし!』

「はぁ!? 個人的意見を押し付けんじゃねーよ! 仕事しろバカ司会者!」

『うるさい人ですね~。じゃあどこで出会ったんですか? え? 合コン? さすが~』

「ちげぇし勝手に話進めんじゃねぇよっ!」


コントみたいな掛け合いがしばらく続き、あたしは隼人と、隼人の彼女の話をしっかり聞いていた。


……隼人、幸せそう。


何だか嬉しくて、あたしまで顔が綻ぶ。