「1ねんせーのトモダチ、はじめて」

「あ、そうなんで……」


友達!?

勢い良く隣を歩く昴先輩を見上げても、相変わらず眩しいほど輝いてるだけだ。


友達って、誰が? あたし? あたしが、この輝く昴先輩と、友達?


「……と、友達ですか?」


いやいやいや、ないない。聞き間違い、聞き間違……。


「なてくれない?」

「なりますオッケーですウェルカムです!!」

「アハハッ!」


昴先輩は、口に拳を当てて笑う。

プラチナに輝く髪から覗く深いブルーの瞳に、どうしようもなくドキドキしてしまった。


「interesting、トール」


あたし、面白いですか……。いえ、昴先輩にそう思ってもらえたなら嬉しいですけども。


頬を染めるあたしに、昴先輩は柔らかく微笑んだ。


「またね、トール」


あたしの頭を一撫すると、昴先輩は2年生の教室に続く階段を颯爽と駆け上がっていく。



後ろ姿は幾度となく見てきたはずなのに、あたしは胸が締め付けられたまま、暫く階段の前から動けなかった。