『これまた初々しいですね~! この学校に入ってから、告白されましたか!?』
「…………はい」
ついさっき。
『ですよねー! 俺が知ってる限りで、3人に告白されてるもんね~』
ニコニコ笑う司会者に、あたしは青ざめる。
……すいません。誰に告白されたのか、分からなくて……。
土下座したい気分になっていると、マイクがズイッと近付いてきた。
『さて、そんなモテモテな透ちゃん! 今、好きな人はいますか!?』
「うっ……えと……はい」
「「えぇぇぇえーーー!?」」
なぜか叫ぶ男子生徒に肩を揺らすと、奈々がクスクスと笑っている。
『なんと! 好きな人がいる!? どんな人ですか!?』
「……はひ?」
え? 今、聞かれた? どんな人って、聞かれた?
目を輝かせる司会者と、緊張と、スポットライトの暑さで、息が苦しくなってきた。
あたしはそろりと体育館を見渡して、昴の姿を探した。
……いない……?
どんなに人がいても、すぐに見つけられる大好きな人の姿。キラキラ輝くプラチナの髪が何よりの目印。
やっぱりいない……。帰ったのかな?
そういえば、夏に後夜祭ヤダって言ってもんな……。
いないなら、言ってもいいかもしれない。
「……優しい人です。かっこいい、けど……笑顔が可愛い……です」
笑った顔が、何より好き。
『ベタ惚れな感じですね~! いつから好きなんですか?』
「4月から……」
新入生歓迎会の日に、一目惚れした。
『その人とは今、どんな感じなんですか!?』



