プラチナ王子



「嬉しかった。あ……ありばど……」


言いながらボタッと落ちた涙に、「我慢した意味ないじゃん!」と大聖は笑いながら流れた涙を拭ってくれた。


「気持ち言いたかっただけだし、フラれるの分かってて告ったんだから、気にすんな。透も頑張れよー?」

「うぅっ……でも、あたし……っ」

「これからもバスケしよーな!」


頑張れなんて言われて、これからどう大聖と関わっていくべきなのかと思ったのに、そう言ってくれた大聖に余計涙が溢れた。


「当たり前じゃぁぁあん!」


わぁわぁ泣くあたしが泣き止むまで、大聖はずっと笑って慰めてくれた。



泣きたいのはフラれた方のはずなのに、何でフッたあたしが泣いてるんだ。


教室に戻る途中、大聖にそう言ったら、そういうとこも透の可愛いとこだって、笑って言ってくれた。



出逢った時から変わらない笑顔。一緒にバスケをしたり、教室で大聖と話すことが、あたしにとって当たり前だった。


きっと大聖は言葉通り、これからも変わらずに接してくれるんだと思う。


優しい人って、強い。




ありがとう大聖。


すごく嬉しかった。元気と勇気をもらった。



あたしも昴に告白したいって、思ったよ。



ありがとう。


ほんとにほんとに、ありがとう。