プラチナ王子




「「おつかれー!!」」


一般公開が終わり、15時を回った頃。我が1年3組は見事2年生と3年生を抑え、飲食部門売り上げ第1位。


優勝を祝って、クラスで祝杯を上げていた。


「やったな透ー!」
「透のおかげだよーっ」
「奈々ちゃんと大聖も!」
「いや俺たちも頑張っただろ!」


盛り上がるクラスメイトに、あたしは笑みだけを返す。


「何だよ透。お前が1番喜びそうなのに、テンション低くね?」

「店長……。嬉しいよ、嬉しいんだけどあたしは今ね、どん底にいるんだぁ~うふふ……」

「意味分かんねぇ」

「ほっといてちょうだい!」

「はいはい」と、店長はクラスの輪に戻っていった。


「……はぁ」


優勝、嬉しいんだけどなぁ。優勝商品、学食のタダ券だし。1人1回分だけど。


だけど今は喜べる状況じゃない。


何せ昴に、ミディアムレア的シカトされたようなもんですからね。結局あのあと1回も話さなかったし……。


教室の後ろに下げられた机のひとつに腰掛けながら黄昏ていると、輪の中にいた奈々が戻ってきた。


「何しょげてるのよ」

「……別に」

「どうせ昴のことでしょう?」

「……だったら何さ」

「やぁねぇ。私にまでヤキモチ妬かないでよ。めんどくさいわね」

「……」


奈々って、やっぱり人の心読めちゃうの?


それともあたしの心の声が、だだ漏れなんですか!?