「ほんとに本格的なんだね」
「でしょー?」
テーブルに全て置いてあたしは笑うけど、昴は何の反応も見せなかった。
「つか透、めっちゃ可愛いやん!」
ドキッと心臓が跳ねる。
「うん、可愛い」
翔太とキョウに言われ、あたしの目は自然と昴へ向いてしまう。
「私がメイクしたのよ。可愛いでしょう? ねぇ、昴」
昴は……どう思う?
「ウン、そだね」
昴は烏龍茶を飲みながら、あたしを見ずに言った。
「何やねんそれ! 照れんなや~っ!」
「ほんと可愛いよ、透」
「……へへっ。ありがとー」
やばい。泣きそう。
昴はいっつもあたしの目を見て話してくれる。いつもカワイーって、言ってくれるのに。
……何で? なんか、冷たい。
話したくないって、全身で言われてる気がする。
奈々には笑うのに、何であたしには笑ってくれないんだろう……。
やばい。ほんとに泣く……っ。
「――透っ!」
視界がぼやけた時、突然後ろから抱きつかれた。



