プラチナ王子




「透! 写真撮ろー!」

「おー撮ろ撮ろ!」


12時30分、プライベートルームで休憩中。同じ休憩中のメンバー4人と写真を撮りながら過ごす。


「いやほんっと可愛いな!」
「ねーっ。別人みたい!」
「いつも化粧すればいいのに~」
「男の客は奈々ちゃんと透に釘付けだよなー!」


口々にもてはやされ、今の姿が良い感じであることはさすがに理解したよね。


「んー……でも髪長いと邪魔だし、なんか顔重いし、今日だけでいいや」


ははっと笑うあたしにみんなは目を丸くしてから、透らしいと声を出して笑う。


「毎日その姿だったら、俺うっかり惚れそうだわ」

「うっかりって何!? 失礼だな!」


みんなで笑っていると、次の休憩メンバーが入ってきた。


「交代だよ~!」
「あー、やっぱ休憩挟むと楽だー」


ぞろぞろと入れ替えをしていると、最後に入ってきた店長があたしに声をかける。


「店長も休憩あんだね」

「はん? 当たり前じゃね? つーか客来てんぞ。透いますかって」

「あたし?」


誰だ……?


「もう席に案内してっから。イケメンだったぞ」


イケメン!?と言えば昴!?


急いでホールに戻って教室をざっと見回すが、プラチナの髪は見当たらない。


あれ? 昴じゃないのかな……。まだ来ないのかなぁ。


落ち込みそうになった時。


「透! こっち!」


背後から、聞き覚えのある声がして振り向く。