プラチナ王子



「――ハイ。ホントに、ゴメンネ」


ハッとして膝を見ると、すでに包帯がリボン結びで巻かれていた。


「あっ、ありがとうございます!」


やっと昴先輩の顔を見て話すことができたけれど、顔の赤みは引かない。


「ネツ、あるの?」

「へっ!?」

「カオ、あかい」


眉を下げて心配そうにあたしを見つめる昴先輩の整った顔に、ボッ!とまた顔が赤くなる。


「ないです! 大丈夫です!!」

「いま、また、あかくな……」

「なってないです! なってないです!!」


全力で否定すると、昴先輩は不思議そうに首を傾げながら壁にかかる時計を見上げた。


「lesson……ジュギョー、はじまっちゃたネ」


ぎゃー! そうだった、忘れてたっ!!


「ごっ、ごめんなさい! あたしのせいでっ」

「オレが、わるいんだよ」

「そんなことないです!!」


先輩が悪いなんて滅相もないです! 神に誓って!!