「赤だっ! ……でもなんか短くない?」
「透は背が小さいから、ミニ丈の方が似合うわよ」
たしかにそうかも……。
「透がロング丈着たら、引きずっちゃうものね」
ふふっと笑う奈々は、今日も黒のチャイナドレス。もちろんロング丈。
並んで歩きたくない! 月とすっぽん! 美女と小猿!
「ほら早くパンダ脱ぎなさい。メイクもしなきゃいけないんだから」
「はーい」
あたしは白黒パンダを脱ぎつつ、同時に赤いチャイナドレスを着た。
今更だけど、制服以外では全く着ないスカートが恥ずかしい。
「み、短い……」
「似合うじゃない」
笑顔を見せて言う奈々に頬が染まったのは、お世辞じゃないのが分かるから。
「座って。メイクしましょう」
奈々はいつも使っているものより少し大きなポーチから、色々な化粧品を出した。
「いっぱい持ってるんだねぇ……」
「透用に、合いそうなの持ってきたの」
「えっ! ありがとうっ」
「可愛くするわ。誰よりも」
……奈々が男だったら、あたし惚れてるかも。
多分ね、多分。