「……昴のオススメ」
「オレ? んー……caramel Macchiato、だいじょぶ?」
「だいじょぶ……」
「ナナは?」
「アイスコーヒーあるかしら?」
「あるよ~っ。じゃあ……んと、少々お待ち下さいお嬢様」
昴はにこっと笑うと、教室の隅に作られたキッチンらしきところに入っていった。
「照れすぎよ透」
「だって! てか、どういうこと!?」
「昴にメール送ったのよ。来たんだけど、20分しか休憩時間ないからって。案の定すぐ入れてくれたわね」
な、奈々すごすぎる……。世界征服できるんじゃないの? それが無理でもあたしは奈々の手の上で転がされてる感が否めないよ……。
いつか奈々を出し抜けるだろうかと考えていると、昴が戻ってきた。
飲み物をテーブルに置いた昴は「service」と言って、2つのケーキも持ってきてくれていた。
あたしにはショートケーキ、奈々にはコーヒーロール。
「わー! ありがとう!」
「美味しそうね」
昴はにこっと笑って、椅子に座った。
「お話しましょう」
あ、そっか。指名あるから話すんだね。
「日本語、練習したの?」
「ウン。タイヘンだた」
「上手だったよーっ」
「ありがとー」
可愛い! スキ!



