「遅いわよ透……」
「ひっ!」
微笑んでる奈々だけど、怒りマークが額に見えるのは気のせいじゃないです、よね…?
「写メを見せたらしいわね……?」
ひぃぃぃ! てめぇあたしの写メを見せて客釣ってんじゃねーよおかげで大変だったんだぞコラと、目が言ってる! 殺られる!
「ごめん! ごめんなさい!」
必死に謝ると、奈々は溜め息をついた。
「まぁ、仕方ないわね。あのままじゃ一日中働かせられるとこだったわ」
「餌にしてごめんね、奈々」
「いいわよ? そのかわり、今日はずっとその格好でいてくれるのよね?」
え……ずっと!?
「それは嫌っ……」
「なぁに? 聞こえないわ」
「……はひ」
やっぱり奈々は、中国マフィアのボスなんだ……。
「さっ、昴のクラスに行きたいんでしょ? 行くわよ」
さっきまでの不機嫌はどこへやら。奈々は颯爽と歩き出す。
美人マフィアにお子様パンダ……。
これで昴に会いに行くなんて、拷問。
うわぁぁあああ! 奈々の鬼ー!



