「「エラいぞ透ー!」」
「でっへへへ」
100人くらいに声をかけて教室へ戻ると、みんなに頭を撫でられた。
「予約! よく思いついたなー」
「褒めて褒めてー!」
予約システムを入れてから、店の機能はスムーズに働いたみたい。
バタバタしてた店が落ち着きを取り戻し、お客さんを待たせることなくしっかりと接客をしてる。もちろん、満席。
「もう呼び込みしなくていい?」
店長の顔を覗くと、悪戯に口の端を上げられた。
「ラストの4時まで予約いっぱいだからな」
「休憩していいよね?」
「特別な。透のおかげで交代も出来るようになったし。回ってくればよくね?」
「やったー! じゃあ奈々返して!」
「えっ、奈々ちゃんはダメ! うちの看板なんだから!」
ひとりが言うと、接客してる人もダメダメと手を横に振る。
「………」
誰が一生懸命、呼び込みしたと思ってるの?という笑顔を見せると、店長は眉を寄せる。
「透のくせにクソ生意気な……。奈々も休憩入れ! 1時間が限界だかんな」
「やった! 奈々~っ、聞こえた? 休憩だよ!」
テーブルの上を片付けてた奈々に抱きつき、すり寄った。



