プラチナ王子



「ところで奈々はおらへんの?」

「奈々? 接客してるよー。セクシーチャイナドレスで」

「ホンマ!? うぉおお行きてぇ!」


テンションが一気に上がる翔太にキョウは吹き出して、「まぁまぁ」なんて言って宥めてる。


「明日行けばいいじゃん」

「待てへんわ~」


翔太、ほんとに好きなんだなぁ……。キョウには言ったのかな?


「奈々ね、多分ずっと接客だよ。凄い混んでて、人足りないからしばらく休憩出来ないと思うし」

「そないに繁盛しとるん!?」

「1年でダントツ」


ニヤリと笑うと、2人は驚いてる。


「やばいやん。1年に優勝取られるんちゃう?」


あ、そっか。翔太たちのクラスもカフェだから、飲食部門だ。


「……昴は? 接客中?」

「うん。昴はずっと接客だよ」

「客女ばっかやで~」

「え……なんのカフェ……?」


聞くと、翔太はニヤリと笑う。


「イケメン執事カフェ」


イケメン! 執事!?


「昴、キレーなお姉さんたちに指名されまくりやで」


キレーなお姉さん!? 指名!?


「いじめるなよ翔太」

「まぁあとで奈々と来いや! 忙しくて来れへん内に、昴取られてまうでっ」

「やだぁぁぁぁあ!」

「はは! ほな、またな~」


ヒラヒラと手を振って去るふたりを呆然と見つめた。