プラチナ王子



「しっかし似合うな、それ」


外の大広間まで行くと大聖があたしを見て微笑んだけれど、嬉しくないので大聖の腕をバシッと叩いた。


「いって! 褒めてんのに!」

「ドレスの時褒めてよ!」

「分かったよ、明日な」


そう言って大聖はチラシを配り始める。


あーもーっ! なんかめっちゃ見られてるし! 絶対バカにされてる!


「え、透!?」

「うははは! 最高やなそれっ!」

「げっ! キョウッ……翔太っ!」


見られたー! 昴は!? いない!? 良かったー!


「何それ何それ、パンダやんな? チャイナだから!?」


ゲラゲラ笑いながら目の前に立った翔太を睨む。


「うるさい! 無理やり着せられたんだもん!」

「似合うねー」

「キョウまで! お願いだから褒めないで!」


翔太はフードに付いてるパンダの耳を上に引っ張って遊んでいる。


「うはは! ホンマおもろいな!」

「やめてよ! 2人は何してんのさっ」

「呼び込みだよ」

「じゃあ、うちらと一緒だ? ねー大聖っ!」

「ん? ああ」


蚊帳の外にいた大聖に声を掛けると、翔太がパッと明るい顔をした。