プラチナ王子




「そういえば、もうすぐ文化祭だよね」


浜辺でくつろいでいると、キョウが言った。


「だねー! 超楽しみっ!」

「ウチの文化祭は盛り上がるで~」

「そうらしいわね」

「なんと言っても、大イベントがあるからね」

「オレ、あれヤダ……」


キョウの言葉にぽつりと呟いた昴に首を捻る。


「あれって何?」

「秘密ー! 1年には、絶対内緒やねん」

「昔からの伝統なんだよ」


黙る昴の代わりに答えた翔太とキョウはどこか意地悪そうに口の端を上げた。


へー……何だろ。気になる!


「楽しみだねー奈々っ」

「そうね」


くすりと笑う奈々から視線を外して、宙を見ながら文化祭を想像する。


文化祭に、1年には秘密の大イベントかぁ~……。


また思い出できるっ!


「昴たちのクラスは何するの?」

「cafe」

「あら、一緒ね」

「へぇ。奈々たちのクラスはどんな感じなの?」

「チャイナカフェだよ~」

「「「チャイナ!?」」」


わお。3人とも息ぴったり。


やっぱり仲がいいんだなぁなんて呑気に考えていると、想像を巡らせていた3人が次々言葉を発した。


「それて……」

「チャイナドレス……?」

「着るん!?」


あたしと奈々は視線を交わらせて昴たちに顔を向けると、頷く。


「女子全員着るわよ」

「「「行く!」」」

「不潔だわ」

「何がやねん!」



奈々と翔太の掛け合いにみんなで笑いながら、太陽の光はゆっくりと海にとけていった。