「トール!?」
「奈々が可愛いぃぃ」
「トールも、カワイー」
「ありがどぉぉお!」
言ってくれると思った! 王子は皆に優しいのっ! 平等なの! 奈々だけが美しいなんて、言わないの!
「orange、トールのcollarだよね」
「昴も黒がよく似合うよね!」
「そこのバカ2人! 誉めあっとらんで遊ぶでーっ」
「バカにバカって言われたくないわよねぇ。自分が褒められないからって、見苦しいわ」
うふふと笑う奈々にビックリしてるキョウは、奈々ってこんなキャラなの?と目で訴えてくる。
頷けば、サッと顔を背けて、どうやら笑うのを堪えている様子。
キョウって笑い上戸だよなぁ……。
「あぁもうえぇわ! そこまで言うならビーチバレーで勝負や!」
奈々と言い争っていたらしい翔太がそう言って、あたしは昴と顔を見合わせる。
「よしっ! じゃあ、あたしたち対翔太ね!」
「はぁ!? せめてキョウよこせやっ!」
ビニールボールを投げ付けてきた翔太に笑いながら、あたしたちは遊泳時間ギリギリまではしゃいでいた。



