「……なぁに? じろじろ見て。この変態」
いや、じろじろ見ちゃうよ。
奈々、スタイル良すぎません? 何その、スラッとした手足。なぁに、そのくびれと肌の白さ。
おまけに胸まで大きいというね!
「水着、可愛いねー……」
「透も可愛いわよ」
奈々は黒のビキニ。あたしはオレンジ。奈々と違うのは、下の水着にスカートみたいなヒラヒラが付いてる。
あたしは自分の胸を見て、奈々の胸を見て、そっと自分の胸を両手で隠した。
涙で前が見えないのは気のせいかな……うふふ。
「トール!」
あぁ昴……水に濡れ、太陽の光を浴び、今日は一段とお美しい……。
隣に同じく美しい奈々がいても、あたしを呼んでくれるのですね……。
「さっさと行きなさいよ、気持ち悪いわね」
……………。
「奈々のべっぴんー!」
そう暴言をはいて、昴のもとへ走る。
「それ、誉めてるじゃない」
奈々の突っ込みなんてなんのその。猛ダッシュしたあたしは、その勢いのまま昴に抱きつく。



