プラチナ王子



「先に行ってるね」

「あ、行ってらっしゃーい」


キョウの声に顔を上げると、昴がTシャツを脱いでいた。


「………」


おっふぅ! 昴の裸見ちゃっ……見ちゃった! ぎゃー!


心の中で叫んで顔を両手で隠せば、「海パンはいてるわよ」と奈々の冷めた一言。


「分かってるもんっ」


ふん! あたしだって恥ずかしがらずに昴の海パン姿くらい見れるもんね!


「つめてーっ!」


奈々に日焼け止めを塗ってもらいながら、波打ち際ではしゃぐ3人を見つめる。


昴……細いのに筋肉ある。骨もゴツゴツしてる。


腕もちゃんと、男の人だ。


あたし、あの腕に抱きしめられたんだなぁ……。


ボッと顔が赤くなって思わず顔を逸らすと、いつの間にか奈々が隣にいて目が合った。


「日に日に変態っぷりが上がってるわね」

「…………」


思い出して赤くなっただけじゃん! 奈々のバカ!