プラチナ王子



「行ってらっしゃーい!」


観覧車に乗ると、男のスタッフが手を振って見送ってくれる。


あたしと昴は決して広くはない観覧車の中で向かい合って座っていた。


「綺麗だねー」


窓の外を見ると、アトラクションがキラキラと光り始めている。


「来て良かったねっ」


そう笑顔を向けると、昴は「ウン」と言って窓の外を見た。



「……トールにであえて、よかった」

「……」


何の反応も出来ずにいると、眩しいものでも見るように細められた深いブルーの瞳と目が合う。


「トールにであえてから、everyday、たのしー」


優しく微笑む昴に俯きそうになったけど、堪えた。


どうして急にそんなことを言うんだろうと思いながら、そんなのあたしも同じなのにって思う。


「あたしもだよ……」


昴を好きになってから、友達になってから、毎日、毎日楽しかった。


ヤキモチ妬いたり悲しい時もあったけど、嬉しいことのほうが多くて、幸せを感じることのほうがはるかに多くて。


前よりもっと、もっともっと好きになった。