プラチナ王子



「奈々が走るわけないやろ……」


翔太が指差した方を見ると、はるか遠くで奈々と昴が歩いている。


「………」

なんということでしょう……。


さすが美男美女というか、奈々と昴、めちゃくちゃお似合いなんですけど!


その証拠に、2人を通りすぎた人たちがいちいち振り返っていた。


「――アカン。昴腹立つわ……」

「え?」

「え?」


見上げた翔太の顔が、みるみる内に赤くなっていく。


「俺、今……口に出しとった?」

「ばっちりね」


頷きながら笑うと、翔太は「あぁぁああ」と何とも言えない声を出して両手で顔を覆った。



昴に腹立つってことは、やっぱ、ねぇ……?


「前々から、奈々のこと好きなのかなーって思ってたけど、やっぱ好きだったんだね」

「あぁああああ嘘やろ!? 誰にも言うてへんのに! バレてるん!?」

「ぶふっ!」


面白いなぁ翔太。ていうか奈々本人も気に入られてるって程度には感づいてると思うけど……本気だったんだなぁ……。


「メアド交換しようって言いだしたのも翔太だし、隼人たちに絡まれた時とか、翔太はいつも真っ先に奈々に向かうから……なんとなく」


うん、思い返しても翔太ってばいつも奈々に構ってる。


ひとりで納得していると、顔を覆っていた翔太はチラリとあたしを見下ろす。


「……奈々って、男嫌いなん?」

「んー。嫌いもあるけど、基本的には興味ないって感じ」

「ほんまに!? アカン……ダメやん……」


でも、奈々が翔太と関わるのってあたしが昴を好きだからだけど、それを抜きにしても奈々が特定の男子と仲良くするって普通じゃ有り得ないことなんだよね。


まあ……未だにお嬢様の仮面を被ってはいますけども。