プラチナ王子



「奈々も似合うな~。高1には見えへんで」

「ありがとう」


にこっと笑う奈々に、翔太は少し頬を赤くしていた。


「ほんなら、行きますか」

「わーい!」


いっぱい思い出つくる! キョウにはお土産買ってってあげよう!



「ニホンのtheme parkはじめて」


遊園地に入場すると、キョロキョロ周りを見る昴は興味津々って感じで可愛い。


堪らない……ハァハァ……じゃない息止めてあたし! 変態にならないで!


「たくさん思い出つくろーね!」


にかっと笑うと、昴も笑い返してくれる。


夏休み万歳!



「何乗る何乗る!?」


翔太も子供みたいにハシャいで、パンフレットを広げていた。あたしは翔太と一緒にパンフレットを覗いて、目に入ったものに興奮する。


「ジェットコースター!」

「よっしゃ行くでーっ!」


翔太とあたしはテンションが高すぎて、「ぎゃー!」と叫びながらジェットコースター乗り場を目指して走った。


辿り着いた乗り場には人が並んでいたけど待ち時間10分と表示されていて、笑顔を浮かべる。


「そんなに待たないね!って……あれ? 奈々と昴は?」


一緒に走ってきてくれたかと思っていたのに、振り向いた先には息切れした翔太しかいなかった。