プラチナ王子



「あっつぅ~」


サンサンと降り注ぐ太陽の下。あたしと奈々は遊園地の入口ゲートに向かっていた。


そこで昴と翔太と待ち合わせしてるんだけど……。


「あら。早いわね」

「!!」


生きてて良かった! いや本気で!


入口ゲート付近に立っていた昴と翔太を見つけた瞬間、ぶっ倒れそうになった。


なんて大人っぽい格好をしてるの昴! 王子!


昴は細めで濃いブロークンデニムに白のTシャツだけでも似合いそうなのに、グレーのベストを羽織って黒と白のチェックストールまで巻いてる。


「な、奈々……写メ、写メ撮りたい……!」

「息が荒くて変態にしか見えないわね」


荒くもなるでしょうよ! ハァハァ言いたくもなるじゃんか!



「昴ー! 翔太ー!」


駆け寄って呼びかければ、「トール」とふにゃっと笑う昴に気絶寸前。


「昴、私服かっこいい!」

「トールも、カワイー」


ぎゃー! 女で良かった!


「俺のことは褒めへんの?」

「翔太も似合ってるよーっ! サーフ系だったんだね!」


翔太はペイントや刺繍がされた薄い色のブロークンデニムに、サーフ系らしいデザインの淡いグリーンのポロシャツを着ていた。


健康的な肌によく映えてる。