数分前の決意はどこへやら……。
「ここは~ここに……」
昴が説明してくれるものの、全く頭に入らない。
なぜって、近すぎる。
ひとつの机で勉強してればそりゃ近いけども。
教科書にかじりつくあたしの頭に、昴のプラチナの髪が時々触れる。昴から、いい匂いがする。
これはまずいです昴先生……鼻血出そうです……。勉強どころじゃないです。
「じゃあココ、やてみて」
例題2と書かれた問題を指差す昴。
きれいな指です……じゃなくて! 集中集中!!
せっかく昴が教えてくれてるんだから、何が何でも解けるようにならないとダメ!
「……えっと、うぅ……」
「ゆっくりでイイヨー」
優しい!!
問題分を見ただけですぐにテンパるあたしに、昴はそうやって言葉をかけてくれる。
これはもう絶対に正解しなければ。
一問間違えるごとにあたしは昴に引かれる。
一問間違えるごとにあたしは昴に嫌われる。
そう頭の中で繰り返しては、とんでもないプレッシャーが掛かったけど、ツルッツルの脳みそで必死に考えながらシャーペンを走らせた。



