「だいじょぶ? ゴメンネ」
すばっ、すばる、せんっぱっ……本物!? なぜ体育倉庫から、王子が出てくる!?
遠くで見るよりも綺麗なプラチナの髪から覗く、本当に深いブルーの瞳があたしを見下ろしている。
夢みたいだ……。
「……た、たちあがる?」
立ち上がる?
昴先輩の不思議な日本語に真面目に悩んでいると、昴先輩の手が伸びてきた。その手によって、あたしは転んだままだということに今更気付く。
「だっ、大丈夫です!!」
差し伸べられた手を無視して、俊敏に立ち上がった。
恥ずかしい! 死ぬ! この状況では絶対死んでやらないけど!!
「……っ」
転んだ恥ずかしさと、昴先輩が目の前にいる恥ずかしさが同時に襲ってくる。
熱くなってきた顔を隠すために俯いて、制服に付いた砂を払った。
うわぁ、うわぁ、どうしよう! 何この状況!
ぐんぐん上がっていく体温に目を回していると、突然頭に感じた違和感。
――ん?



