「38点!」
「「赤点ーー!」」
大爆笑するお馴染みの2人に、歯ぎしりしたくもなる。
20点も上がったんだから!!
むつけていると、不意に頭を撫でられた。
「あと2テン、おしかったね」
「すっ……昴~っ!」
また惚れ直した! 多分もう今ので100回超え! 今日だけで!
「透、教えてもらったら?」
「はひ?」
「数学得意なんでしょ? ねぇ、昴」
奈々の目線は、昴に移る。
「……ウン」
「ね? 教えてもらいなさいよ」
何か……奈々の黒オーラが、昴に向かってるのは気のせい……?
「気のせいよ」
「エスパー奈々!」
「なぁに? そのネーミングセンス」
「気持ち悪いわ」と言って、奈々は翔太とキョウとお喋りを始めた。
奈々が気持ち悪くないのって、何なんでしょうか……。
ふと昴を見ると、あぐらをかいた両膝に肘をついて、両手で顔を支えてる。
考える人、昴バージョン。
………考える人って、全然違うポーズだった。
「トール」
「はいっ!?」
くだらないことを考えてた思考が、突然遮られる。



